「道に迷ったんなら、この子について行けば良いよ。」
松井さんは一緒にいたもう一人の少女の腕を引いた。
フワフワの髪につぶらな瞳…綺麗な少女だ。
「三浦杏奈です。」
髪を揺らしながら三浦さんは言った。
彼女は羽坂学園の近くに住んでいるので、この辺には詳しいらしい。
「レッツゴー!!」
松井さんと三浦さんはあたし達の前に立ち、ハイテンションで進んで行った。
「ねぇ、南。」
「あ?」
「松井さんとは仲良いの?」
南に聞くと、南はピースサインを送ってきた。
「元小が一緒。良い子だよ~」
あたしはだいぶ前にいる松井さんを見つめた。
初めて見た時から、あの笑顔に吸い込まれたんだ。
あの強い目とオーラのせいで、負ける気がした。
「おーい!!!!」
松井さんは急に振り返り、叫んだ。
郁那が走り出したので、後を追う。
風が冷たくて心地よい。
そのせいだろうか、頭がボーッとする。
我に返り、顔を上げると、"緑公園"と書かれた看板が目に入った。
先生がいる、ということは、集合場所に着いたのだろう。
あたしはホッと息を吐いた。
そしていつもの様に周りを見回す。集会の時も、移動教室の時もバス停でも、いつもすること。
戸谷君探し。
(いた…っ!!)
すぐに見つけた後ろ姿。
遠くからでも、後ろからでも、人が沢山いてもすぐに見つけられる。
「あ 。」
その時急に郁那が後ろから奇妙な声をだした。
「えっ、何!?」
振り向いて、ようやく郁那が自分の視線を追っていた事に気付く。
「アイツ、昨日の…」
郁那が指差したのは戸谷君では無く、戸谷君の隣にいる男子だった。
「「 あ 。」」
そいつを見てあたしと南も奇声を発する。戸谷君の隣にいたのは、昨日教室にズカズカと入ってきて、ズカズカと出て行ったアイツ。
「え、何、惚れたの?」
郁那があたしとそいつの顔を交互に見ながら心配そうに聞いて来る。
そんな訳ないでしょ。その隣。気付いて。いや、やっぱ気付かなくて良い。
心の中でブツブツ呟きながら、あたしは否定した。
松井さんは一緒にいたもう一人の少女の腕を引いた。
フワフワの髪につぶらな瞳…綺麗な少女だ。
「三浦杏奈です。」
髪を揺らしながら三浦さんは言った。
彼女は羽坂学園の近くに住んでいるので、この辺には詳しいらしい。
「レッツゴー!!」
松井さんと三浦さんはあたし達の前に立ち、ハイテンションで進んで行った。
「ねぇ、南。」
「あ?」
「松井さんとは仲良いの?」
南に聞くと、南はピースサインを送ってきた。
「元小が一緒。良い子だよ~」
あたしはだいぶ前にいる松井さんを見つめた。
初めて見た時から、あの笑顔に吸い込まれたんだ。
あの強い目とオーラのせいで、負ける気がした。
「おーい!!!!」
松井さんは急に振り返り、叫んだ。
郁那が走り出したので、後を追う。
風が冷たくて心地よい。
そのせいだろうか、頭がボーッとする。
我に返り、顔を上げると、"緑公園"と書かれた看板が目に入った。
先生がいる、ということは、集合場所に着いたのだろう。
あたしはホッと息を吐いた。
そしていつもの様に周りを見回す。集会の時も、移動教室の時もバス停でも、いつもすること。
戸谷君探し。
(いた…っ!!)
すぐに見つけた後ろ姿。
遠くからでも、後ろからでも、人が沢山いてもすぐに見つけられる。
「あ 。」
その時急に郁那が後ろから奇妙な声をだした。
「えっ、何!?」
振り向いて、ようやく郁那が自分の視線を追っていた事に気付く。
「アイツ、昨日の…」
郁那が指差したのは戸谷君では無く、戸谷君の隣にいる男子だった。
「「 あ 。」」
そいつを見てあたしと南も奇声を発する。戸谷君の隣にいたのは、昨日教室にズカズカと入ってきて、ズカズカと出て行ったアイツ。
「え、何、惚れたの?」
郁那があたしとそいつの顔を交互に見ながら心配そうに聞いて来る。
そんな訳ないでしょ。その隣。気付いて。いや、やっぱ気付かなくて良い。
心の中でブツブツ呟きながら、あたしは否定した。

