自室に戻った私は、目を瞑った。
瞬きをする要領で、ほんの一瞬だけ。
〝テレポート〟
心のなかで、そっと呟く。
目を開けると、視界に入るのは
慣れ親しんだ配列に並ぶ、ほんのり色づいたクッキー達。
それから、鼻孔をくすぐる甘く、ふわふわした香り。
そして……
「いらっしゃい。
またお使いかい?
まったく。ミドリ様もアオイ様も困ったもんだねぇ。」
少し掠れた声で威勢よく喋るお婆さん。
「ソフィさん!
今日もお使いに来ました♪」
このお店の名は
[cookie shop ソフィ]。
言うまでもなく、このお婆さん…
ソフィさんが店主をつとめるお店だ。
「今日はどのクッキーを買っていくんだい?」

