-ミドリ side-
「それは、16年前に遡るわ──。」
忘れはしない、あの日の決断のことを…
桃花に話すときが、来たようね。
──16年前
「……ミドリや、そろそろ結婚して、後継者を作らんかね」
それは、御堂家の重役会議でのことだった。
「しかし、私はまだ結婚する気は……」
「なぁに、30にもなって結婚もしとらんやつがよく言うわ!御堂家を存続させるために後継者が必要なのは、お前も知っとることじゃろ!?」
会議の終盤で話題に上がった、私の結婚の話─。
私だって、30にもなって一貴族のトップが結婚をしていないのは、良くないことだとわかっている。
それでも、私が結婚できないのには理由があった─。
「もちろん、わかっています。後継者が必要なことも。
…………しかし、私はLGBTです。」
私がこの一言を告げると、想像していた以上に、皆がざわめきだした。

