愛ノ女神さま。


ホール脇の控え室に行くと、そこに居たのはスーツ姿のミドリ様と、綺麗に着飾ったアオイ様。


ミドリ様は私を見ると、一瞬目を見開いたものの、すぐに元の表情に戻り、「桃花、すっごく綺麗よ。こんなに綺麗なのに、いつもマントを被ってるなんて、勿体ないじゃない。」と、珍しく褒めてくれた。


「お褒めの言葉ありがとうございます。光栄です。

私なんかよりも、スーツ姿のミドリ様はいつにも増して格好良く、綺麗に見えます。」


私もそう言って微笑むと、後ろから小さく震える声が聞こえた。


「……ょ。」


「アオイ?」
「アオイ様?」


「……っ‼なんでよっ……‼‼

桃花なんかより、あたしの方が綺麗なのにっ‼
桃花ばっかり‼なんで本当の娘よりも、義娘を……っ!」


その声の主は、怒りに震えたアオイ様だった。


……まぁ、こうなることは想定内なんだけどね。


私が着飾ると、いち早く反応するのは他でもない。

アオイ様だ。


本当は今日だって、マントを被ろうと思った。