愛ノ女神さま。



けど、あの子にとっての本当の幸せは魔界に行くことなんじゃないのか???


魔界に行って、愛する人を見つけて。


何よりも、御堂家から離れることが、桃花の幸せに繋がるんじゃないのか?



「魔法使いの名前を、教えてください。」



あたしの考えに、追い討ちをかけるように彼はそう言った。



「別に、無理やり魔界へ連れ去ろうとは考えていません。あくまでも、彼女の意思を第一に考えていますから。でも──」



──でも?

彼の口から出た、次の言葉に、あたしは桃花の名前を教える決断をした。


「彼女を、“愛の女神”すなわち、次期女王に育て上げて、一生愛したいと想っています。」


そう言った彼は、愛しそうに微笑んだ。


「僕の、完璧な一目惚れなんです。

それに加えて、魔力も充分ですし、愛の女神の素質も「ぶふっ……」


失礼だけど、彼の言葉に私は吹き出した。


「──僕、何か可笑しいこと

「あはははははっ!ぼ、“僕”?

あんたは“僕”なんて言わないし、あっちじゃもっと言葉使いも荒いだろう?敬語使ってるのがつい可笑しくてっ……」


あたしはつい、彼の言葉使いに突っ込んでしまった。