「─……っっっ‼あんた…………」
「申し遅れました。
魔界の愛の国からやって来た、神城 颯斗と申します。
─ここまで名乗ればお分かりになられますよね?
西の魔女こと、ソフィ・ソルシェさん」
そうじゃ。この人は──
「愛の国、次期女王の正式な婚約者であり、最高峰の魔法使い……」
“あの” 美愛 乙葉 様の息子である、神城 颯斗 様だ。
「ご名答。
まさか、ここに来るまで“西の魔女”であるソフィさん、あなたが人間界との門番をしているとは知りませんでした。
老婆に変装してまで。」
コイツは、あたしの変装まで見抜いていやがる。
「別に、あたしが老婆に変装して人間界に居ようが、門番をしていようが関係ないだろっ。
あたしはただっ‼」
「“ただ”?」
─っ!
ここで、桃花が魔法使いだということを言ってしまえば、あの子はこの世界にいられなくなってしまう。
魔法使いが年中人間界にいることは、基本的には認められていない。
あたしだって、昼間は人間界にいるけど、夜は魔界へと戻っているし。
桃花のことを考えると、魔界へ行けばのびのびと暮らせるだろうが、彼女は魔界に行くことを望んではいない。

