君の言う通り




女顔の美形…莉央は、スッと目を細めた。横目でそれを捉えたあたしは、無表情で受け流す。善の言葉も、莉央の目も。


「……………甘い物、どこ。」


早速この状況に飽きたあたしは、誰にとも無く聞いてみた。
お腹空いたわけじゃないけど、甘い物は頭を働かせてくれる。


「イチちゃん甘党なのー?…あ、ミルクティーと炭酸どっちがイイ?」


「………ミルクティー。」


「お、手伝ってくれんの?やっさしー。」


「………早く手を動かして。」


ついでに口は閉じて良い。
ミルクティーを作る美岬の傍ら、あたしはお菓子の箱を開けてお皿に乗せる。善が用意したお菓子は、駅前のロールケーキ。


この前行った時に無かったから、思わず頬か緩んだ。本当に僅かにだけれど。
あたしのそんな些細な変化に美岬が気付くわけもなく、隣り合わせで用意を進める。


この部屋にはある程度の日用品は揃っているし、家具だって充分にある。
ここに住めるくらいには