宗月はコンサートホールを出て、コートの襟を立てる。
「ハインツ。冷えるな、今日は」
マネジャー「ハインツ」と共に、雪道を歩く。
淡雪が、肩先に落ちては消えて行く。
「1杯やるか」
「いいね」
木造の古い扉を開けると、様々な音が溢れる。
「よう、来たか」
「相変わらず、忙しそうだな」
宗月は「お陰様で」と笑う。
カウンター席にハインツと並んで座る。
「1日早ければ、面白い演奏を聞けたのに」
マスターがカウンター越しにカラカラと笑う。
「面白い演奏!?」
「ああ、華奢で綺麗な顔をした日本からの留学生」
マスターはわざと遠回しに言ってみる。
「ほお? あの堅物がね」
宗月は意外だという顔をする。
「ショパンの『木枯し』を弾いていった……胸が震えたよ。風に踊らされる木枯しが見えるようだった」
「ハインツ。冷えるな、今日は」
マネジャー「ハインツ」と共に、雪道を歩く。
淡雪が、肩先に落ちては消えて行く。
「1杯やるか」
「いいね」
木造の古い扉を開けると、様々な音が溢れる。
「よう、来たか」
「相変わらず、忙しそうだな」
宗月は「お陰様で」と笑う。
カウンター席にハインツと並んで座る。
「1日早ければ、面白い演奏を聞けたのに」
マスターがカウンター越しにカラカラと笑う。
「面白い演奏!?」
「ああ、華奢で綺麗な顔をした日本からの留学生」
マスターはわざと遠回しに言ってみる。
「ほお? あの堅物がね」
宗月は意外だという顔をする。
「ショパンの『木枯し』を弾いていった……胸が震えたよ。風に踊らされる木枯しが見えるようだった」