「…そっか…。」
「柏木…―?」
「先輩…俺がどんなにうるさくしてても…笑ってくれてたその笑顔…大好きでした。俺がどんなにドジで…バカ…だった…のに…面倒見がいい先輩…大好きでした…!!」
泣きながらしゃべる遼平。
…もうやめて…なんで泣くの…?
…あたし…なんかした?
「もうやめ…――。」
「俺!!…先輩に名前呼ばれた時うれしくて…バカみたいに騒いでた時も…調子に乗って…ふざけた話してる時も…先輩の笑顔が大好きで…いつも…3年の教室行ってた時の事も…忘れません!!」
「りょう…――!!」
「さようなら!!!先輩!!」
「ちょ…!!」
足の速い遼平はすぐに暗闇の中へ姿を消した。
「…意味わかんない…結局ひとりか…。」
わたしはとぼとぼ家へ向かって歩き出した。

家に着いて気になることをとにかく医学書で調べた。
…なんで胸が気持ち悪くなるの?…
その夜結局答えは見つからないまま眠ってしまった。