「名前教えて?」
そう言えばこいつの名前を知らなかったんだ。
聞けば思いだすかも。
「教えてませんでしたよね…そういえば…。」
「うん…名前聞けば思いだすかもしんないから…。」
「遼平…柏木(かしわぎ)遼(りょう)平(へい)です。」
「…。」
「先輩!!思いだしました??」
元気いっぱいの笑顔でのぞいてくる。
「…すまん…。全然思いだせない。」
「ガーン…。」
「でも…ね?わかるよ!!思いだせるって!!絶対!!」
「…。」
すっかり落ち込んでる様子の彼。
「…遼平?」
「!!」
いきなり起き上がる彼の顔。
すごいいい顔…。
…うっ…なんか胸の奥あたりが…気持ち悪い。
「なんか…いいッス!!」
「は?」
「響きが!!最高ッス!!」
「…?」
「もっかい!!言って??」
「…遼平??」
「うぉぉぉおおぉぉ~!!」
変な雄叫びをあげる遼平。
「…はは!」
バカだこいつ…。
…変な奴だなぁ…ホント…。