*「ふたりならきっと仲良く暮らせるわ。」


ほどなくして、私達はともに暮らすマンションへと言われた。
高くそびえるコンクリートの壁、私達の部屋はその最上階にあった。
敷地内には整備された広い庭園や屋上プールがある。
(さすが東堂家のマンション。格が違うな...)
部屋も予想した通りだった。高校生2人が暮らすには大きすぎる広さだった。
思わずため息をつきたくなった。もちろん人の手前そんなことはできないのでこらえたけど。
「これから色々困ったことがあると思うけど、いつでも相談してね。大丈夫。二人ならきっと仲良く暮らせるわ」
東堂さんのお母様がおっしゃった。
「はい。ありがとうございます」
おば様はにっこりとほほえんだ。
(優しそうな方だなあ......。でも藤堂さんは―――......)
―――嫌だろうな、私と暮らすなんて...。
なぜだか、ずきりと胸がいたんだ。