「そんなことより、早く行こ~!」


おっと、すっかり忘れていた。 周りを見ても、打ち上げメンバーは俺と菜々子しか残っていなかった。どうやら、皆既に移動したらしい。


「ああ、早く追いつかないとな」


「りょ~かい!」


菜々子はあたかも軍人のように敬礼をすると、皆の後を追うように、ペダルを漕ぎ始めた。俺も、その後を追った。


それからは、カラオケで歌を歌ったり、焼肉屋で焼肉を食べたり、広い公園で鬼ごっこをしたりして遊んだ。そして最後に、全員で集合写真を撮ると、皆それぞれ、帰り支度を始めた。既に、ところどころで帰り始めている者もいる。俺も、そろそろ帰ろうと思いながら、すっかり暗くなった闇の中、汗でびっしょりの身体を、タオルで拭いていた。すると、剛と菜々子が自転車に乗ったまま、俺に近付いてきた。