菜々子の子供のようなはしゃぎように、思わず笑みがこぼれた。


菜々子とは、幼稚園からの付き合いで、俺の親と菜々子の親は、互いに親友同士なのであった。


「さて、ちゃっちゃと準備を終わらせるか」


後はキャンプファイア用の着火マンと……着替えに、時計……あっ、


「しまった」


この前、祖母の家に腕時計を置いてきてしまったのだった。


「チッ……今度取りに行かないとな」


さて、準備はこれくらいにしておくか。


ふと、時計を見てみると、既に午後2時を回っていた。その時、頭の中にあるものが思い浮かんだ。


「やべえ!早く行かないと打ち上げに遅れる!」


今日は、友達と皆で打ち上げをする日だったのだ。それを今まですっかり忘れていた。俺は急いで出掛ける支度をすると、すぐに玄関から外へ出て、ドアに鍵をかけた。そして自転車にまたがり、いきつけの焼肉屋まで猛ダッシュした。