信号機の音は無慈悲に響く

「はぁ……」


ちょっとあれはキレすぎたか……いや、あれは剛が悪いんだ。いつまでもグチグチと自分のせいだとか言ってるから……


俺肩を落としながら、1人でトボトボと帰路に着いていた。


「きゃああああああ!!だ、誰か……!誰か!」


突然、何処かから悲鳴が聞こえた。


今の声は……学校方面だ!


俺は舌打ちをしながら、再び全速力で学校に戻っていた。そういえば、学校にはまだ先生達が残っていたな……ということは、あれは誰か、女の先生の声か……!


俺は内心、冷や汗をかいていた。それはそうだろう。昨日、直斗が交通事故で死んだのだから。それに、まだ学校に剛を残してままなのである。


何事も無ければ良いんだが……!


それからは数十秒で、学校に戻ることが出来た。悲鳴が聞こえるくらいまだ近くに居たので、すぐに戻ることが出来たのだ。正門から学校に入ると、校庭がやけに騒がしかった。よく見てみると、校舎の近くに野次馬が集まってきていた。