聖夜side

ポツポツと雨が降り出した。


…荒れそうだな。



「なぁなぁ、聖夜!
今日はどこ行くんだ?」


「野暮な事は聞くもんじゃないよ恋(レン)」


前の座席で会話してんのは、側近の恋夜(レンヤ)と悠志(ユウシ)。


こいつらとはもう10年以上一緒にいる。

本音の言える唯一の俺の仲間。


「着きましたよ、聖夜」

悠志の呼びかけに俺は「あぁ」と短く言葉を残し車から出た。


外に出た瞬間、早速耳に聞こえる猫のような声。


「きゃぁぁぁ!////夏目組の皆様よ!」

「聖夜さーん!!////」

「聖夜様ぁ!!」


うるさい…。


どうして女はこうなんだ。


どいつもこいつも甘ったるい声だして気持ちが悪りぃ…


女共を無視して店の中へ入る。


「いらっしゃいませ、聖夜様」

「あぁ」

「奥で待機させております。
どうぞごゆっくりと…」



奥へ入ると、待ってましたと目を輝かせる女。

本当に虫唾が走る…


俺は女の手を掴みすぐに押し倒すとそのまま行為に走った。


「あ、あぁ…!きもちぃ!!」

上で喘ぐ女。


なんの感情もわかねぇ…


こうやって毎日欲を発散させればそれで終わり。

2度と同じ女を抱くことはない。


「あぁ…せい、や!!…っ!!!」


「てめぇ、今なんつった」

「ひっ!あ、やめ、て…!」


ただ、俺は自分の名前を呼び捨てにするのだけは許してねぇ…。

呼べば最期、そいつは終わる。


女の首を思いっきり締め上げる。

「ひ、あ…ぐ…!!!」

ミシミシと音がするが手を緩めない。

女は泡を吹いていた。


「っ!おい!聖夜!やめろ!!」


外にいたのであろう悠志と恋夜に声をかけられたがそんなのは聞かねえ…

「やめろって!!」

「聖夜!何してんだよ!」

やっとの思いで、離された手。

「っち…邪魔すんじゃねーよ」

俺は服を着るとそのまま車へと戻った。


「ったく、やり過ぎですよ聖夜」

「本当だよー組長に怒られるのは俺らなんだぞ!!」


後処理が済んだのか二人も車に戻ってきた。

「帰る」

そういうと悠志は車を走らせた。