もう、限界だったあたしはやっぱり逃げてしまった。


走って走って走って…。

靴なんてない。

裸足のまま、冷たい地面を走る。


「はぁ…っ!」


もっと、もっと遠くに逃げなきゃ。

捕まればまた酷い目にあう。


誰でもいいの。誰か助けて…!


だけど、街行く人はあたしを奇妙な目で見つめるだけ。

当たり前だよね。こんな真冬に裸足で歩いててそれに、ぶかぶかなトレーナーを一枚羽織ってるだけ。



やっぱり、みんな一緒。

誰も助けてなんてくれないのかな…。



ポツポツと雨が降り出して、一気に土砂降りに。



もう、立ってられない…。

あたし、このまま死んじゃうのかな…






雨の中歩いているとちっちゃな公園に着いた。



「ここは……」


見覚えのある公園。


あたしは、そのままベンチに横たわった…。



ごめんね、空。

お姉ちゃんもう無理かも…。


助けてあげられなくてごめんね…



「ごめ、ん…なさい。」


そのまま私は意識を手離した…。