「現在は、若のお父様つまり旦那様が社長でいらっしゃいます。そして…表では大手メーカーですが、裏はこのように夏目組という暴力団です。」

悠志さんはそこまで話すとふぅと一息ついた。


あまりに唐突すぎてあんま着いていけなかったけど、とりあえずここは暴力団なんだよね…。

「お前、あんなとこで一人でなにしてたんだ。」


すると、突然聖夜さんに声をかけられた。


「あ、あたしは…その…」


そうだ。あたしは、あの家から逃げて来たんだ…。
今頃、逃げ出した事がばれてるはず…

「空…」

「空…?」

ポツンとつぶやくあたしの声に聖夜さんが反応する。