この人は一体…?
よく近くで見ると鼻筋が通っていた整った顔をしている。
だけど、雰囲気はとても近寄りがたくて少し怖かった…。
「おい」
そんなことを考えているといきなり声をかけられて少しびっくりしてしまった。
「は、はい…」
低い声に圧倒されて声が小さくなってしまう…
あたし一体これからどーなるの…?
ぐるぐると色んな事が駆け巡る
すると…
「お前、名前は?」
…二回目の質問。
だけど、さっきとは違ってすぐに答えられなかった。
そんなあたしを見てか枕元に座っている黒髪の人が声をあげた
「日向葵と言うそうです。」
すると、さっきまであたしに声をかけてた人が枕元の男の人を見る。
「悠志、てめぇなんで俺より先に名前しってんだよ」
「聞かなくてどうするの?そのままにしとく訳にもいかないし…それに聖夜を狙う奴だったら始末しなきゃいけない」
サラッと言ってのける言葉に恐怖を感じた。
始末するって…
あたし相当やばいとこに連れて来られてのかな…。
そんなあたしのことの気持ちなんかお構いなしに今度は金髪の男の子が明るい声を発した。
「へぇー!葵ちゃんって言うんだ!よろしくね!俺は春満(はるみ)恋夜!年は17歳!」
そう言うと恋夜くんはあたしの手を握ってきた。
「えっと…」
今だに状況の掴めな私に今度は枕元から声が飛んでくる。
「恋、布団から出た方がいいよ。」
「え…?っわぁ!!」
「って遅かったか…」
ほんの一瞬だったけど、目の前の恋夜君が首を引っ張られ倒れた。
「だ、大丈夫ですか…!?」
「まったく、聖夜の前でそんなことしたらそうなるに決まってるでしょ」
ハァ…とため息をつく悠志?さん。
慌てるあたしと比べて他の人は全然平気な顔をしている。
転がった恋夜さんはほっといて悠志さんはあたしに声をかけてたきた。
「騒がしくして申し訳ありません。
恋夜はまだ子供ですから…。」
呆れたように恋夜さんを横目に見る悠志さん。
いや、それよりあたしは目の前にいるこの和服姿の男の人の方が怖いです。
