「ん……」


「あ!起きた!!」

目が覚めると目の前に金髪の目のクリッとした男の子がいた。


「ここ、は…?」

確か、あのまま家を飛び出して…
たまたま見つけた公園のベンチに居たハズがなのに…


私の頭の中でハテナがたくさん浮かぶ。
ここはどこなんだろう…


ふと、横に座る男の子と目が合った。

「あの、ここは…」

どこですか?そう聞く前に障子の扉が開いた。




「あ、起きたんですね。今、聖夜をよんできます。」



扉の前には黒髪でメガネをかけた身長の高い男の人がいた。


聖夜…??一体誰なの??


次から次へとでる疑問に頭がクラクラする…。


とりあえず、一体何が起きてるのか聞かなきゃ…!

「あ、あの!!ここは一体どこなんですか?」


カラカラの喉から出た声。
そういえば、家を飛び出して以来何も飲んだりしてないんだ…。


少しかすんだ声に気づいてか、黒髪の男の人はお水をくれた。


「とりあえず、それを飲んで下さい。
それから申し訳ないのですが、あなたの着ていた洋服は洗濯に出しているのでしばらくはそのカッコでいてください」


確かに、あたしが着てた洋服じゃない。
男物のスウェットみたいな…。
もらった水を一口飲むとよほど喉が乾いてたのか、そのまま飲み干してしまった。

「…ふぅ。」

「落ち着きましたか?」

「あ、はい…。ありがとうございます」

そう返すと、男の人は少し微笑んでいた。

「さて、とりあえずあなたの名前から聞いてもいいですか?」



唐突な質問にびっくりしたけど、とりあえず答えなきゃ…



「あたしの名前は、日向葵っていいます。あの、ここは一体…」

「あぁ、ここはですね…」


男の人の言葉を必死に聞こうとしてたあたしの耳にまた新しい声が聞こえた。



「おい」



声のする方を見るとそこには、和服姿の
男の人が。
低いけど通る低い声。
二重まぶたの鋭く光目があたしを捉えていた。


そばにいた男の人はすぐにあたしの枕元に移動した。


代わりに入ってきた男の人がそばに座る。