「.......間に合わなかったね」

「うん」


俺達は結局間に合わなかった。

罰として、今水を入れたバケツを持ちながら、廊下に立っている。



「あなたの名前は、なんていうの?」

「俺?俺は、沢田 優大。君は?」

「橋本 花織 だよ。改めて、宜しくね」


花織は、柔らかく微笑んだ。


「....かわいい」

「え?」


いつの間にか口から出ていた言葉。言った自分も驚いていた。