まるでその言葉を待っていたかのように勢いよく、風が吹いた


ブワッと舞い上がる私の髪と

少しだけ揺れる一条くんの髪


「ほんとに?」


一条くんは私なんて知らないと思ってたのに……


「ほんとに」


一条くんは私なんて見向きもしてくれないと思ってたのに……


「嬉しいっ……」


涙がポロポロと零れてきて、私の頬を伝う


絶対に叶うはずないって思ってた……

絶対に釣り合わないって思ってた……


一条くんはそっと私を抱きしめる


「いちじょぉっくんっ」

涙が止まらなくて笑顔と涙でくしゃくしゃになっていく顔


一条くんの暖かい胸にそっと顔をあてると安心感でまた涙が出る


「佐々倉って泣き虫だな」


顔は見えないけど、優しい口調で言ってくれる一条くん


あぁ……幸せだ……


それから、二人で一緒に帰ってメアドも交換して夜、電話もした