楽しげに眺めながら、持っているサンドを食べた。
 気づいておきながらどちらも横取りするなんて、最愛にとって嫌がらせだった。

「あれ? 今日はポテトサラダはないんだな?」
「家にあるのはごぼうサラダだ。明日でなくなるだろうな」

 たまにサンドイッチを作っていて、その中によくポテトサラダを入れていて、ここで何度かそれを礼雅と食べていた。

「今度はデザートとしてサンドイッチを作るからな!」
「ちょっと待て。サンドイッチは軽食として成り立つだろう?デザート?」

 以前にインターネットでサンドイッチ専門店を検索してみると、サラダやフライ、肉などに分けられていて、キウイサンドなどのフルーツサンドがあった。

「フルーツと生クリームを入れて挟むんだ」
「お前はイチゴとかブルーベリーとか、フルーツで嫌いなものがたくさんあるだろう」
「だから私は食べない。バナナだったら食べられる。チョコバナナだったら美味そうだ。今度作るか・・・・・・」

 それだったら生クリームとカスタードクリームを入れて食べることを喜んで受け入れる。
 決定すると、礼雅が肩を震わせながら笑っている。

「やっぱりお前といると飽きないな」
「どうした!? 突然」

 礼雅はゆっくりと部屋を見渡すので、最愛も同じことをした。

「お前がガキだった頃はしょっちゅうこっちへ来ていたから退屈しなかったのに、高校生の頃はほとんど来なくなっただろう? 退屈な日々を送っていたんだから責任を取れよ」
「時間があるときはここへ来る」

 遊びのためではない。礼雅への報復の分割払いのため。

「よし、いい子じゃないか!」
「こっちもやるべきことはやらないとな」