美鈴は告白されることが羨ましいと思っていたが、実はそんなに良いとも限らないことを知った。
 手紙でどこかに呼び出される場合はその手紙を破り捨てていて、直接最愛のところまで来て、告白したときはとにかく嫌な態度で接していた。

「最愛にとって、苦痛だったと思います・・・・・・」
「なるほどね・・・・・・」

 そんな話をしていると、美鈴が注文したパイナップルジュースとフルーツショートケーキを店員が持ってきた。話を中断して、フルーツショートケーキを食べることにした。

「美味しそうに食べるね、美鈴ちゃん」
「甘くて美味しいですよ! 最愛とよく菓子の交換をしていたんです!」
「そうなの? 知らなかったな・・・・・・」

 最愛が小学生や中学生の頃にときどき手作りの菓子を作って、礼雅の家まで持ってきてくれた。
 しかし、高校生になってからそれがなくなったので、菓子作りに飽きたのだと思っていた。

「なるほどね。俺に菓子を作らなくなったのは美鈴ちゃんの分を作ることに集中していたからなんだ」
「はい!? い、いや、その、そんなことは・・・・・・」

 慌てふためく美鈴が面白く、礼雅は笑った。

「笑わないでくださいよ」
「ごめん」
「あーあ、あたしも最愛と同じ大学だったら、もっと一緒にいることができるのに・・・・・・」

 美鈴が通っている大学は最愛が通っている大学とそれほど距離は離れていない。
 ただ、仲の良い友達だから、もっと同じ時間を過ごしたくなる。