俺は後ろの入口から教室を覗く。


キョロキョロしてみるが、美羽の姿はどこにもない。


…休みかな…?


仕方ない、明日また出直そう。


そう思って後ろを振り向いたら。


すごい形相をした阿久津美音がいた。


その後ろには佐田亮平。


あ、ちょうどよかった…。


「美羽、知らない…?」


すると妹に睨まれた。


確かに、俺はうざい奴だけど。


あなたの友達を振ったうざい奴だけど。


質問くらい答えてほしい。


…だけど。


二人は睨んだままで答える気なんてさらさらないようだ。