シュッと背筋を伸ばして歩く美羽も見付けた。


嬉しいことに妹も佐田もいない。


俺は美羽に近付き、その左腕を掴んだ。


突然のことに体をビクッとさせる美羽。


ゆっくりと振り返る。


そして俺の姿をとらえると、目を見開いた。


「…少し、話せない?」


俺は美羽を真っ直ぐ見ながら言う。


美羽も見返してくる。


すると美羽は頷いた。