「…先輩…?芹沢先輩!!」


本郷さんが顔を覗き込んできた。


「わぁっ!!」


思いっきり仰け反ってしまった。


考え事しすぎてた…。


「…何?」


「何言っても反応しないんで、死んでるかと思いました…。よかったです、生きてて」


「そう簡単に死なないよ」


アハハと本郷さんは笑った。


その笑顔を見る度に美羽の笑顔が頭に浮かぶ。


でもその笑顔はすぐに消えて、苦しそうな表情をする。


その顔を見るのが、たまらなく辛い。


「って、先輩?話聞いてました?」


「へ?」


本郷さんは怒ったような顔をする。