「あ、おかーさん、これ渡し忘れてた。」


「ん?なにこれ。」



お風呂から上がると、鈴丸に封筒を渡された。



「先生がおかーさんに渡してねって。」


「うん…。」



中には一枚のプリント。



「…わかった、ありがとう。もう遅いから寝なさい。」


「うん。おかーさんおやすみ。」


「おやすみ。」



鈴丸が自分の部屋に入っていくのを見て、もう一度プリントに目を通す。



内容は口座にお金が入っていないため、給食費が引き落とせないということ。



「ふー…。」



ため息をついて、通帳を見つめる。



…鈴丸には、迷惑かけないようにしなきゃね。



ダンボールを引き寄せて、材料を取り出す。



昼はカフェ、夜は造花を作る内職。


…それでも、生活は一向に潤わない。



「…。」


花を横によけて、ノートパソコンを立ちあげる。



手っ取り早く稼ぐ仕事はいくらでもある。


ただ…。



ひとつの求人が目にとまり、クリックする。



「…っ」


…鈴丸には…。



メールを送って、電源を落とした。



その後ももくもくと造花を作り続けて、東の空が白くなり始めた頃、眠りについた。