そうして、冬を迎え…

いつものように、枯れ葉の毛布にくるまり寝ていると…

暖かな木漏れ日が差し込み…

瞳をあけると春でした…。

狐さんは、
放心状態のまま、春を迎え…

朦朧とした意識を無理やり起こし…

喉が渇いたので湖に行くと…

白い鳩の群れが水浴びをしている端っこで、

群をなしていない一羽の鴉が水浴びしていました。

狐さんは、黒く艶のある綺麗な羽根を見てた強く惹かれました。

鴉さんは、狐さんを見て…

最初は、無視を続けましたが…

狐さんの気持ちをくんだ鴉さんは…

徐々に、距離は近まって…

大の親友になりました。

でも…ある日、狐さんは思い出すのです。
昔の友を…

みんなみんな崩れて壊れて

一瞬にして消えていったことを。

それも思った狐さんは、鴉さんから自ら離れ…
その島を離れました。