5月半ば。



「恋雪、おはよ!」



前の席から、遥斗が話しかけてきた。


「おはよ〜」


私も返した。




「お前、今日も可愛いな」



「なっ//なに言ってんの遥斗」




最近、遥斗はよく私を可愛いと言う。




「そのまんまの意味だけど?」



ニヤニヤして、こっちを見てくる遥斗。



「お前、俺んちの犬にそっくり」


い、犬⁈私、犬なの?



「犬に似てるって!ひどいよ遥斗」




「いやだって、似てんじゃん?こっち向いて、ワンワンって言ってみろよ」


うっ……やだよそんなの!



「絶対言わない!」




「じゃあお座りしてお手でもしてみ?」



嫌に決まってる!




そんなこと言う遥斗は無視して、席に着いた。