「君の事が以前からずっと気になっていた。あの…好きです!!友達からでもいいので
 付き合ってください!!」


慶介は渾身の想いをこめて言った。

「えッ…」

伊集院は少し顔を下に向け、とまどった。

「好きって…。私みたいな女駄目だよ…」

「駄目じゃない。君は本当に気が利く優しい子だ。そんな君をずっと前から見ていた。」


伊集院は顔を背けた。おそらく今まで言われた事がないのだろう。

少し間が空いてからにこっと笑って言った。

「こんな私で良ければ、これからよろしくお願いします。」


「やったー。」慶介は伊集院の手を握り、上下に腕を振った。

体育館の物影では鈴木達も同様にハイタッチする姿が見えた。


こんなに緊張したのは初めてで、本当に心から嬉しく思った。