あたしは急いで制服に着替えた。 「すみません、お待たせしました」 「よし、行こっか」 まだ4月 夜はまだ少し冷える。 そんな中まるでカップルかのように 腕をくっつけて歩いた。 「まだ夜は寒いなー。 栞、大丈夫?」 「はい、大丈夫です」 沈黙 だけど、嫌な沈黙ではない。 「…あの、恭平さん?」 「んー?」 「どうして待っててくれたんですか?」 恭平さんがこっちを向いて笑った。 「どうしてって、栞の顔にそう書いてたから♪」 からかってるのか、この人は。