しばらく頭を抱えたまま、
うつむいていた修が切り出した。


「ゴメン。言い過ぎた。
だからもう泣くな。
オレ、今日はもう帰るよ。」


修は手早くジーンズを履くと、
くしゃくしゃの頭のまま、
ポケットに
ケータイとカギの束を押し込んだ。


私はくしゃくしゃの顔のまま、
玄関まで付いていった。

修はずっとうつむいたままだったが、

「悪かった。早く泣きやめよ。」

と一度だけ私の顔をみて、
またうつむいて出ていった。