「アヤ、、さん?」

そう、不意に声を掛けられて
振り向くと、
あの水色のダウンジャケットを着た
高岡亜矢子が立っていた。 
                                                            
「箱根湯本で待っていれば
いつか会えると思っていたけど、
まさか同じ電車に乗ってるなんて
思ってもみなかった。」

亜矢子は、哀しそうな微笑みをすると

「でも、どうして?降りるとこだったの?」

とバックとコートを抱えて
血相を変えていた私に言った。