「はい、じゃあ怪我だけはないように」
「「「「さようならー」」」」
「ん〜〜〜!!やっと終わった〜〜!」
冬休みだぁー!!!!
勢いよく扉の向こうへ飛び出し、ダッシュで靴箱に向かおうとしたその時。
「おいっ」
「ん?……っ……うわっ!?何?!誰?!」
「よくそんな口がきけるな」
走る私の肩にかかった鞄を引っ張られた上に、頭を鷲掴みにされているせいで、後ろが振り向けない。
でも、この声は……。
「と、とりあえず離してくれいかな……青空くーん……」
「お前が先に行くからだろーが。この優しい俺が、わざわざお前の教室の前で待ってやってるってのによ」
「…なんで?」
「はぁ?!お前、今日は一緒に帰るって約束してたろ」
えっ、嘘…。そんな話してたっけ……。
「はあ……、今朝言ってただろ…。本当にお前は…」
「ごっ、ごめんごめん!!聞いてなかった……みたい……へへ」
こういう時は、笑ってごまかそう…。