「おはよー西森ー」
「あぁ……、よっ……」
「元気ねぇなぁ!まったくよお!
あっ、そうだ!パン食うか?」
差し出されたパンを受け取ることなく、「いや、いい」と断りつつ、自分の席に着いた。
朝から疲れに浸っている俺を教室で迎えるのは同じクラスの門倉 隆樹。
「お前、朝からどんだけ食ってんだよ」
「ん?パン5つと……、おにぎり6個?」
「何で疑問系なんだ……」
俺の後ろの席に座って、今日も何かを食べ続けている。
サッカー部で、まあまあモテているらしい。
んでもってよく食う。
「彼女さんとは?どーなったんだよ」
そして、なんの遠慮もなく質問をする。
「っっ……、なんでいきなりそうくるんだよ」
「興味あるから」
「興味もってもらっても困るんだがな」
「ははっ」
いたずらに笑うと、結局何個目なのかわからないおにぎりを、また食べ始めた。
「どうもねーよ……。 思い通りになって面白いぐらいだな。まあ、たまに………、って聞けよ」
とりあえず、こいつは俺の親友だ。