「………ミ……。
ナーーーミーーーーッッッ!!!」
「……へっ?」
「なにボーっとしてんの? ほら、卵焼き落としてるよ?!」
あっ、ほんとだ…。
お箸で掴んだはずの卵焼きがスカートの上で寝ている……。
その卵焼きを再びお箸で掴み弁当の中へ放り込んだ。
「あんた、今日はやけにボーっとしてるよね……。なんかあった?」
「なんかあったもこーも!朝言った通りだよ!」
「あぁ、計画失敗ってやつ?まぁいいんじゃないの?相手はあの、王子なんだし」
「はぁ?!よくないよ!全然よくない! 第一、全然王子じゃないんだからね?!あんな悪魔みたいなクソ王子!一生、棺桶に入ってくれててもいいのに!」
私がそう言い終えると同時に額に痛みが走った。
「いったぁあ!何?!……で、でこぴん⁉︎」
「クソ王子って……、だれのこと?」
あっ……、やばい……。