「ずっ…、ずっと前から見てました!お、俺と、付き合ってください!」
「……ありがとう…。でも…、あなたのこと、よく知らないし…、ごめんなさい……」
「……そっか。で、でも、諦めるなんて10年早い!だから、今回は、退散するぜ!」
退散って何、退散って。
しかも、微妙にキャラ変わったよね、今。
まだまだ疑問点はあるものの、同級生と思われる男子生徒は、そんな言葉を残して去っていった。
よりも早く、私は走り出した。
約50分の昼休み。
いつも…、いや、あの計画を思いつくまでは、屋上でさっちゃんとお弁当を食べるだけだった。
でも、今は違う。
長い廊下を、走りに走る。
「もうっ…、たかが告白ぐらいで、空き教室前なんかに呼び出さないでよっ…、あの猿!」
息を切らしながらも走り、ついた場所は……。
「青空くん!!」
「そんなに走らなくても、俺は逃げないよ?」
ははっ、と笑みをこぼすと、「さっ、行こう」と、歩き出した。