「上手くいったか?」



「ああ」


自分の席に着くと、前からパンを食っている隆樹が歩いていた。



「昨日、何買ったんだ?」



「……言わねーよ」



「えー、言えよケチ!」


と、俺の頭をグシャグシャとかき回した。



「やめろよ!!おっ、いて!いてーよ!」



「へっ」



グシャグシャになった髪を直していると、後ろから声がした。



「西森君」


「あ、峰山」


「上手くいくといいね」


と微笑むと、教室を出て行った。


「ああ、ありがとな」


俺は、峰山の背中に言った。