「礼」
「「「おねがいしまーす」」」
ただの体育だというのに、みんな女を捨てる勢いで走り回っている。
その姿を見守りながら、私は壁にもたりかかって体育座りをした。
はあ……。
暇だ。
「七海ーーーー!」
「うがっっ、ふ、空菜?!」
容赦なくアタックしてきたのは、甲高い声の空菜だった。
あ、そうか、空菜のクラスとの対戦だったんだ!
じゃあ……、体育館を半分に分けるように張られているネットの向こう側にいるのは…。
「「キャーーー!青空くーーんー!!」」
ですよねー……。
これに慣れたら、妬く気力も無くすわ!
「ねえ……」
空菜が、コートの中を見つめながら言った。

