情けない泣き声をあげながら走り去っていく女を、必死に追いかける集団が消えた後、私は2人の元へ駆けつけた。






「大丈夫?!!」





「俺は大丈夫だ。
それより、こいつは?」






青空の視線を追うと、空菜が肩を小刻みに震わせている姿が見えた。





でも、私たちの視線に気づくと、すぐに目に涙を溜めながら微笑んだ。








「もう大丈夫だからね…」







私は無意識に空菜を優しく抱きしめた。







「七海…………うう………」






瞼に溜めていた涙の大粒が次々に溢れ落ちた。







「西森君……ありがとう……」






「んー……」






その時、







夕日に照らされているからか、空菜の顔が少し赤く染まった。