お前を好きになって何年だと思ってる?

「こっちもすごいな…」

冬夜の家は和風のつくりになってる豪邸と普通の一軒家が立ち並んでる。

冬夜は普段一軒家の方で暮らしてて

私も和風づくりになってる方にはあんまり行かない。

「あ、傘持って帰っていいよ?
風邪引くし3丁目まで距離あるでしょう?」

そう言って武田君に傘を押し付けた。

この傘すごく大きいけどデザインはまあ男女兼用だし。

…ママが言わなかったら絶対真っ黒な男物の傘になってただろうけど。

「また明日返してくれればいいから!
じゃあね!」

「あ、ああ…ありがとう」

「いいえ」

私はにっこり微笑んで家に入って行った。