お前を好きになって何年だと思ってる?

と言って爪やすりを取り出す。

「な、なんで爪やすり?」

「今日バイオリンのレッスンなの。
ごめん〜」

恵美はそう言って爪やすりで爪をこすりながら私を見る。

「ねえ…。ほんとになんにも感じない?」

「なにが?」

私の言葉に恵美ははーっとため息。

「明野君」