「……愛しのサンゴちゃんに会えないかなって思ってるんだろ?」 「バカ言うなよ……俺はっ」 顔を真っ赤にして、言葉を詰まらす波瑠。 からかい甲斐があるわ。 俺は、そんな波瑠の横顔を見ながら、クスクス笑っていた。 ガラガラガラ!! 何かをひっくり返したような音が静かな砂浜に響きわたる。 なんだ?何があったんだ?! 俺と波瑠は、身を固くし顔を見合わせた。 そして、次の瞬間―― いやあぁぁぁぁぁっ!! 静かな月夜を劈くような悲鳴が、頭の芯に響いた。