普通のなんでもない女なら送ってもいいけれど、この結城って女は嫌だ。 だって、男の為に親友を騙して傷つけた女だぜ? 正直なところ嫌だ。こんな女に関わりたくない。 「今度一杯奢るから、頼むよ」 両手を合わせ頼み込むマスター。 日頃からマスターにはお世話になっているしな…… 仕方ない、送って行ってやるか。 「ったく……ホラ、行くよ。」 完全に酔っぱらった彼女の横に立って、腕を引っ張る。 「いやー。帰らない。ほっといてよ」