奥様のお仕事

「外は冷えているから 明日は雪になるらしいよ」


「雪!?雪ですか!!!」


思わず窓にはりついた。

「あはは これからいやというほど見るから」


「雪なんて見るなんて思ってなかった~
じいちゃんがそのうち連れて行ってやるって
じいちゃんとおばあちゃんの思い出の地だって言ってたから」


そう約束したのに
私は今 違う人と一緒にいる

「黒木氏は大学時代 こっちにいたって言ってたね」

今夜はお酒が入っているせいか 浩一郎は優しい笑顔だった。


「そうなんですって」
ソファーに戻って座った。


「出身大学は知ってるから 今度行ってみようか
一番いい季節は終わったばっかりだな 残念」


「ほんとですか?」


「うちの家庭も代々そこ出身なんだ」


「浩一郎も?」


「楽しかったな あの頃は毎日気楽だったから」


「そうなんだ~~」

浩一郎の表情に思わず私の頬も緩んだ。

「いいね~マリン」


「え?」


「俺に敬語使わなくていいよ 夫なんだから」


「だって・・・夫って言ったって」


浩一郎が立ち上がって私の隣に座った。