奥様のお仕事

「お腹すいたから 何か作って」

時計を見ると 七時を過ぎていた。

「何かって・・・・・」
冷蔵庫の中には それなりに物が入っていた。


「自炊できるんですか?」


「しないよ」


「じゃいつもどうしてるんですか?」


「外食か実家か・・・・コンビニの時もあるし
冷蔵庫の中はビールと水くらいしか入ってないんだけど
佐伯夫妻に頼んでおいた」

このすごい キッチンで料理してくれる
恋人とか 全くいなかったの?


とか聞きたかったけど


「好き嫌いとか あんまり言われても困るから
そこは 縛りきつくしないでくださいね」


「ん 先に言えば ピーマンとかセロリはダメ
人参もできれば好まない」


「何でも食べないとダメですよ
料理とかは じいちゃんの時から 文句言われるの
大嫌いでしたんで お仕事ですけど
作ってもらう人の気持ちを尊重してくださいね」


こっちも先に言いたいことは言っておかなければ
一日中付き合わされるんだもん

「はいはい 奥さん
お手柔らかに頼みます 俺は先に 風呂行くよ」


そう言うと浴室へ消えて行った。