奥様のお仕事

五月さんのことには 一切触れなかった。
浩一郎の口から 名前が出るのも怖くて
最後まで ここでは私のことだけしか 見ないで欲しいから



「おみやげ何がいい?」


「え?ああ え~何でもいいって言うか
別にいらないから お金使わないで」


「この間東京行ったとき 慌ててたから
何も買ってこなかったし」


「あの時はもう
帰ってきてくれたのがおみやげだったもん」


「悪いな」


「あ 全然気にしないで」

そう おばあさまと お話して少しだけわだかまりも
取れたし・・・・みんな悪い人ではないとわかったし


過去の怨念に縛られてるじいちゃんが 執念深いだけ
でももう 関わることもないから


そう思うと少しさびしくなる。
あの ムカつくけど カッカ カッカ 血気が溢れる闘志も
悪くなかった気がするから


「あのさ 頼みがあるんだけどイヤだと思うんだけど」


「え?何?」


「明日だけでいいんだ。本人は外食か出前とか言ってたんだけど
今日から おばあさんとかあさん 旅行へ行ったんだよね
で とうさんは俺と一緒に出張で
都合悪いことに 鈴木さんがどうしても明日 身内に不幸があって
急に休むことになって・・・・・」


最後のご奉仕か・・・・・仕方がない・・・・。