奥様のお仕事

金曜日も帰りが遅かった。
私の頭の中にはもう 五月さんとのことで一杯になって
夢から現実へ突き落されるカウントダウンが
始まったようで 恐怖感すら覚える。


拍車をかけるように 美由紀さんからランチに
誘われた席で

「専務さん 最近一人で動くことが多くて
夫 仕事なくなるのかと心配してるのよ」


笑い話だけど 私には笑えない。


「あ 子作りのこと話しておいたから
気をつかってるのかも」


「そうなの!?やだ~~~だからなのね!!
もう やだ~~そんな気を使われたら~」


「佐伯夫妻には一番大切なことだもの」


「夫が不安がってたから 安心した~
人事兼運転手だから ウチの~~専務さんがらみの
残業けっこう大事だから
気を使わずにどんどん使ってってお伝えして~
私がそんなこと言って気を使わせてるなんて知ったら
夫に 余計なこと言ってって叱られちゃう」


一人で動いてるってことは
業務とは関係ないことだってことで

帰りが遅いってことは
五月さんと・・・・・・会ってるとか・・・・・・



想像は逞しい。

「頭 おかしくなりそう」

甘いお仕事にどっぷりつかって
まさかこんなにこの仕事が辛くなるなんて想像もしてなかった。