奥様のお仕事

どうして・・・・・

喉まで出かかった言葉を必死に止めたのは
あまりに浩一郎が辛そうだったから


私はうずくまる浩一郎を
抱きしめるのが精一杯だった。


「マリン・・・・・」


「浩一郎最近すごく辛そうだったから」


浩一郎の体の力が抜けたのがわかった。


「私こんなことしかしてあげられないけど………」


「ありがとう・・・・・・
甘えてこのまましばらくこうしていて」


浩一郎のカッチリとした頭を優しく撫ぜた。


いい子
よく頑張ったね


母親ってこんな気持ちで子どもを抱きしめるのかな
私は 母親の愛情を知らないけど


愛しいものを 守りたいって気持
今 まさにそれ


浩一郎を守りたい・・・・・・・
辛さから解放してあげたい・・・・・・・


冷蔵庫の音しか聞こえない部屋で
私は愛する人を抱きしめる。



自分の無力さに情けなくなるけれど
これができる精一杯のこと


「マリン・・・・・」


「ん?」


「ありがとう
とても穏やかな気持ちになった」


浩一郎が静かに私の胸から離れた。


「いつでも抱きしめるから」


「いい年してみっともないな」


弱いとこも全部好き・・・・・大好きなの・・・・・