奥様のお仕事

一日早くなったおかげで おせちつくりもほとんど
寝ることなく必死につくりあげた。

重箱に入れると
「おお すごいじゃん
浩一郎に見て欲しかったのに~~~」


仕方がないから スマホで何枚も写真を撮る。


佐伯さんも里帰りだからタクシーで行くように言われてた。
迎えの時間までダッシュで 身支度をした。


「最悪・・・・・」


せっかくのイメチェンも 
浩一郎が見てくれなかったら何の意味もないし


とりあえず泊まる用意をして
エプロンをバッグにしまった。


「あ~~気が重い 重い~~~~~」


浩一郎から 朝メールが来て
普段通りでいいからって言うから


セーターとスカートにコートを羽織り
ブーツを履いた。


「いってきます・・・・・」


誰もいない部屋に 声をかけた。


一人で闘うのか・・・・・・・・・。
おせちと バッグを持って



部屋の鍵をかけた。


「やるしかない」


今日は心なしか ブーツのヒールの音が響いてる。
かなり力が入ってるんだ・・・・・・。


祖父の絵の前で立ち止まる。



「じいちゃん 守ってね」


エレベーターが開くと 地獄の窯が口を開けた。